2024年12月期の経営成績についてご説明いたします。
経営成績等の概況
売上高 | 売上総利益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
---|---|---|---|---|---|
18,717百万円 | 4,592百万円 | 720百万円 | 1,060百万円 | 507百万円 | 15円73銭 |
売上高 | 18,717百万円 |
---|---|
売上総利益 | 4,592百万円 |
営業利益 | 720百万円 |
経常利益 | 1,060百万円 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
507百万円 |
1株当たり 当期純利益 |
15円73銭 |
トピックス
納期遅延解消特需のあった昨年を上回り、VADビジネスを中心に伸長し、売上高、売上総利益は過去最高を達成
M&A関連一時費用、株主優待費用、将来のための人材投資等により営業利益は減益も、経常利益は前年を上回る
- VADは、売上高は特需のあった昨年並みの水準を維持、サポートサービスの利益率改善により増益
- システムインテグレーションは、大型案件のあった昨年に対し僅かに減少
- 自社開発は、セグエセキュリティのセキュリティサービスおよびRevoWorks従来製品の売上伸長により増収となるも、 セキュリティサービスのランニング費用、RevoWorksクラウド開発費の償却開始により減益
- 海外ビジネスはシステムインテグレーションビジネス区分から分離し、下期からFirst One Systems社が追加
売上高

売上総利益

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期(四半期)純利益

当連結会計年度におけるわが国経済は、資源価格の高騰や円安による物価高が続く中、景気は緩やかに回復傾向が継続しております。また、今後の米国の政策動向や中東情勢の不安定化による影響に留意が必要と考えられます。
IT関連投資分野においては、当社が主力事業としているネットワークインフラ及びセキュリティ対応への投資は、官公庁及び民間企業ともに堅調に推移しております。とりわけ、日々発生しているサイバー攻撃の脅威に対するサイバーセキュリティへの需要はさらに高まっていくことが見込まれます。
このような経営環境の中、当社は、2024年5月22日に2024~2026年度の3か年の新中期経営計画「Segue300」を発表しました。この中期経営計画のもと、「セキュリティ分野での多様な機能を提供する唯一無二の存在」、「トータルセキュリティソリューションカンパニー」となることを目指して、事業拡大を図っております。
当連結会計年度においては、M&Aによる事業会社の再編成を実施しました。2022年12月に子会社化したタイ王国のISS Resolution Limited に続き、同国における当社の海外ビジネスの中核とするべく5月にFirst One Systems Co., Ltd.の株式を取得し連結対象といたしました。加えて、当社グループのシステムインテグレーション事業のより一層の強化を図るため6月に株式会社テクノクリエイションの株式100%を取得し、同じく連結対象といたしました。一方、事業の選択と集中の観点から、2024年10月にジェイズ・テレコムシステム株式会社の株式譲渡を行い連結対象から除外することといたしました。
VADビジネスについては、前連結会計年度の2023年12月期は、新型コロナウィルス感染症の影響によるプロダクト製品の納品遅延に伴う膨らんだ受注残の解消特需により大きく売上を伸ばしました。この結果、当連結会計年度はネットワーク製品を中心に反動減の傾向が出ましたが、大型案件の受注やRapid7、Darktraceを中心としたセキュリティ製品が順調に伸長いたしました。
システムインテグレーションは、中型案件の積み上げを行うとともに、新たに子会社化した株式会社テクノクリエイションも事業伸長に寄与いたしました。
自社開発ビジネス(RevoWorks他)は、地方自治体や高いセキュリティ基準を必要とする政府諸機関、病院等の案件を着実に獲得しております。
海外ビジネスについては、新たにFirst One Systems Co., Ltd.が加わり、今後のタイ王国における事業基盤が拡大いたしました。
なお、2022年11月に設立したストック性の高いサイバーセキュリティ事業を展開するセグエセキュリティ株式会社は順調に立ち上がり、事業開始2年目の当連結会計年度において黒字化いたしました。サイバーセキュリティ対策に対する需要は今後とも高まっていくことが想定され、当グループの今後の中核事業の一つとして育ててまいります。
販売管理費につきましては、将来の事業拡大に向けた人材投資、M&Aに関連する一時費用、のれん償却、株主還元のための株主優待費用の増加、新たに連結対象となった2社の販売管理費の追加等もあり、前連結会計年度に対し834百万円増加いたしました。
営業外損益においては、差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ解約益404百万円を計上しております。また、特別損益において、子会社株式売却益234百万円を計上する一方、投資有価証券評価損として195百万円を計上いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は18,717百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は720百万円(同33.7%減)、経常利益は1,060百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は507百万円(同23.1%減)となりました。
財政状況に関する説明
資産

当連結会計年度末の総資産は13,633百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,801百万円の増加となりました。流動資産は10,795百万円となり、前連結会計年度末に比べて766百万円の増加となりました。固定資産は2,837百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,035百万円の増加となりました。
流動資産増加の主な要因は、棚卸資産が減少した一方、現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したこと等によるものであります。固定資産増加の主な要因は、のれんの増加等によるものであります。
負債

当連結会計年度末の負債の合計は10,440百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,623百万円の増加となりました。流動負債は8,312百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,459百万円の増加となりました。固定負債は2,127百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,163百万円の増加となりました。
流動負債増加の主な要因は、主に前受金等によるものであります。固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加等によるものであります。
純資産

当連結会計年度末の純資産は3,193百万円となり、前連結会計年度末に比べて821百万円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金が減少したこと等によるものであります。
当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、4,066百万円と前年同期と比べ614百万円(17.8%)の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて収入が169百万円増加し、1,755百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,132百万円、棚卸資産の減少額1,192百万円であった一方で、売上債権の増加額833百万円があったこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて332百万円支出が増加し、991百万円の支出となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,406百万円があったこと等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて334百万円支出が減少し、335百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1,279百万円、配当金の支払額328百万円、長期借入金の返済による支出374百万円があった一方、長期借入れによる収入1,724百万円があったこと等によるものです。
業績予想、見通し
2025年12月期 業績予想
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1株当たり当期純利益 |
---|---|---|---|---|
22,500百万円 (前期比20.2%増) |
1,260百万円 (前期比75.0%減) |
1,260百万円 (前期比18.9%増) |
701百万円 (前期比38.3%増) |
22円15銭 |
売上高 | 22,500百万円 (前期比20.2%増) |
---|---|
営業利益 | 1,260百万円 (前期比75.0%減) |
経常利益 | 1,260百万円 (前期比18.9%増) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 701百万円 (前期比38.3%増) |
1株当たり当期純利益 | 22円15銭 |
今後の経済動向としては、雇用・所得環境が改善するとともに各種政策の効果もあって、基調として緩やかな回復傾向が持続していくものと思われます。一方、地域紛争の長期化や米国新政権による経済・外交政策が世界経済に与える影響等に留意が必要となります。
VADビジネスについては、中核事業会社であるジェイズ・コミュニケーション株式会社の組織体制を大幅に見直し、ITソリューション事業本部のもと東日本および西日本の事業を統括管理するとともに技術支援機能を強化した体制を整えました。
この新体制によりお客様への価値訴求を強化し、大型案件の獲得や新規商材の立ち上げ、拡販を推進してまいります。
システムインテグレーションについては、エンドユーザーへの直接訴求(ハイタッチ・アプローチ)を強化するとともに、新たにグループに加わった株式会社テクノクリエイションとのシナジー効果を追求してまいります。
また、自社開発については、新製品のRevoWorksZoneを早期にリリースし事業拡大を図るとともに、立ち上がりつつあるサイバーセキュリティ事業についても、引き続き事業拡大を進めてまいります。
海外ビジネスについては、First One Systems Co., Ltd.の買収によりタイ王国における事業展開の基盤が整ったことから、日系企業へのアプローチ等、今後の事業展開に向けた取り組みを進めてまいります。
以上を踏まえ、2025年12月期の連結業績見通しにつきましては、売上高22,500百万円(前年比20.2%増)、営業利益1,260百万円(前年比75.0%増)、経常利益1,260百万円(前年比18.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益701百万円(前年比38.3%増)を予想しております。